星降る山の麓から

我が家の玄関を開けると
すぐに大きな杉の木がある。
生まれがヒマラヤの杉。
御年、65~6歳・・・らしいのだけど
この家のある土地の
元の元の・・・そのまた元の持ち主さん・・・
その方のところに男の子が生まれ
その子の誕生の記念にと
植えられた杉だという。
(前にも一度、この木のことを書いたっけね^^)

この家が建つ、う~んと前から在った計算になり
ここら辺一帯、たぶん、何にもなかった頃に植えられ
それからずっとずっと、この杉は、この辺りを見回して生きて来た。

この木に何度、とんびが弧を描いたろうか。
まだ、小さい背丈で、幹も細く
枝も数えるほどの赤ちゃん杉だったはずで
この山さとに轟く雷を、何度おびえながら聞いたろう。

いくたびの雪にも風にも耐えて
雨をたくさん吸い
お日さまを浴びて
たった一人で育ってきて

そうしてある日
この家の大工さんたちがやって来た。

きっとみんな、見上げたろうな。

ここに、玄関を持ってこよう。
この木の枝をくぐって、家に入るなんて
いいな~

そう言って
我が家が出来上がっていったんだろうな。
「この木はまだまだ、大きくなる」
大工さんたちは、たのもしく見上げたことだろう。

そしてこの大杉は
本当に村で一番の大きな木と成長していった。




この家に越して来て
初めての今年の夏に、この異常気象
大雨の夜に、一晩中鳴り響いた雷。。。

ともすれば、この木が避雷針代わりにもなりかねない。
もしも、そんなことになったら・・・・
そして台風・・・
杉は・・・
とくにヒマラヤ杉は
根が浅いのだという。

そんな話も聞き
雨風の強い夜は、杉が心配で

・・・祈るように  眠る。



私たち夫婦は
ここまで大きく育った木に
もう、愛着以上のものを抱いていて
まるで家族のように思えてしまい
切る決心がつかないのだ。





木も 実は動物と同じで
たった一つの命を持つものとして
人間ともなんら変わりはなく
動かず 物言わず ただそこに在る、というだけで

心を通いあわせることも
魂で会話することも
自在に出来て・・・
いや、もしかすると
言葉をもつ人間よりも
もっと遥かに、もっと自在に
通じあわせることが
出来ているのかもしれない。

そんなことを考えていると
もうとても、この木は切れないのだ。


思えば
この木は、この65年間
いくたびの風雪に耐え
山々の雷さまを除けさせ
この家を守ってくれていた。

そうしてこの家もまた
この木に寄り添い
この木を眺めて過ごしてきた。

木には、精霊が宿るという。

この木はきっと、この家の
守り神さまなんだ。
そうだ。 
きっとそうだったんだ。

ちっぽけな人間の、小さな心配を
この木はきっと、笑って見ていたに違いない。
もしかすると自分が切られてしまっても
笑って許してくれたんじゃないかしら。

生かされようが
命を絶たれようが
成すままに
流れるままに
時に任せてここに立ちつくす。
命をかけて
人間を受け入れてくれている。



守ってくれて ありがとう。
教えてくれて ありがとう。
ここにいてくれて ありがとう。

これから一緒に、冬を越そうね。


山さとは
早もう秋が来ています。


2014.08.31 / Top↑
いつからなんだろう?

夜になると、畑のある窓のほうから
ひときわ高い虫の鳴き声・・・
リーン リーン リーン ・・・ 
あれ、スズムシやよね?
思わず、とーさんに報告。
とーさんは窓際までやって来て、耳を澄ます。

先日の、大雨の影響で
少しの雨にも気を取られる毎日。
この地域も、すぐ近所の裏山から水があふれ
翌日には滝のような鉄砲水となって
土砂が道をふさいだところで

大災害となっている地域の、連日の報道にも
画面に映し出される映像に身体が固まり
言葉をうしなって見入る日々・・・

そんな夜にも聴こえてくる
小さな虫たちの音色。
真っ暗な景色の中から
まるで、こちらの不安な気持ちを汲むように
清らかに歌っている。

あの大災害を起こした大雨も
この小さな虫の音色も
同じ、地球にある自然なんだと気づいて・・・

胸のつぶれそうな不安や悲しみで
眠れぬ夜を迎える人たちの足もとでも
こうして鳴いているのだろうな・・・





心より お悔やみとお見舞いを申し上げます。
2014.08.24 / Top↑
やっと

山さとの暮らしが始まった。

6月の9日。

本当の引越しは、10日だったんだけど

私とヒゲのボクたち2匹

お先に越して来た。


ここは、家に居ながらにして、外も同じ。。。 A ̄▽ ̄;)

そんなところなので

引越しの騒動で、ボクらが脱走して

そのまま行方不明・・・ にもなり兼ねないと

引越し前に来るべきか

それとも後で来るべきか・・・

悩んで迷った挙句、前となった。

それが功を成してかどうか

ボクらは迷子にならずに健在です^^;


はぁ~~~~ 

それにしても。

中高年の引越しや恐るべし!

そりゃ~大変だとは想っていたが

大変だった~~~!!


考えてみれば、あの街のマンションに30年。

30年間 住んでいたのだから。

思い出も荷物も不用品(はっきりゴミ!)も

山のようにあって。

引越し準備の真っ最中

ある日、何を見てもボーゼンとなり・・・・

どの部屋を見ても

どの荷物を眺めても・・・

果てしなくボーゼンとなってしまい。。。

「引越しって・・・ こんなにもボーゼンとするものだったのね・・・ 」

などと、家族に感想を述べたりしてたんだけど

ふと熱を測ってビックリ!

8度7分もあるし!!!


ほりゃボーゼンとなるわさ。


子どもの頃から、熱に強い私。

まさか発熱してるなんて、知らなかった。

(程度モンやろに)


そんなこんなで引越しも終わって・・・・

あれから思えば、夢のような暮らしが有難い。

朝夕、降るような蜩のカナカナシャワーを浴びて

向こうの山の空ではとんびが ぴーひょろ~~ と

まだ暗いうちに表に出ると、アナグマの相撲が見られて^^


山さとの、みんなみんな 

これから どうぞよろしくね。



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2014.08.11 / Top↑